家出してしまった認知症の父を徹底的に探して見つけてくれた探偵さんの話

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私の父は認知症を患っていますので日ごろから行動については注意はしていたつもりだったのですが、家族がちょっと目を離した隙に外に出て行ってしまい、行方不明になってしまいました。

すぐに家族みんなで近所を探して回ったのですが見つけることができなかったため、警察に「行方不明者届」を出して、すぐに捜索してもらえることになりました。

また、自分たちでもできるだけのことはしたいと思って、知人が家出した家族を見つけてもらったことがある探偵さんにも捜索を依頼しました。

その結果、その探偵さんが人探しのノウハウを駆使して徹底的に探して見つけてくれたので大事に至らずに済みました。

この記事では、身内に認知症の方がいらっしゃる皆さんのお役に立てるかもしれないと思い、認知症の高齢者が家出したり行方不明になったりした場合に、その家族は何をすればいいのかということを中心に紹介させていただきたいと思います。

認知症の高齢者の捜索は一刻も早く取り掛かるべき理由

まず最初に、多くの皆さんに知っておいていただきたいことは、認知症の高齢者の捜索は一刻も早く取り掛かるべきだということです。

それはなぜかというと、認知症の高齢者の命にかかわる緊急事態だからです。

5年ほど前に桜美林大学が公開した調査結果を見ると、そのことがよく分かります。

その調査によると、認知症の高齢者が行方不明になってから発見されるまでの生存率は、次のようだったそうです。

行方不明になってからの経過日数生存率
当日82.5%
2日目63.8%
3~4日目21.4%
5日目~0%

つまり、行方不明になった当日に発見された場合でも、生存率は82.5%にまで低下しており、5日目には生存率は0%になってしまいます。

当日に見つかったとしても、約5人に1人の方が亡くなっているということになりますから、いかに一刻を争う緊急事態であるかが分かると思います。

認知症の高齢者が行方不明になったときにやるべきこと

認知症の高齢者が行方不明になったことが分かったら、その家族や身内がやるべきことは、警察に「行方不明者届」を出して捜索を依頼したり、役所などに連絡をしたりすることですが、私がやったように探偵に捜索を依頼することも大切だと思います。

それぞれについて、詳しく説明しておきます。

警察に「行方不明者届」を出す

警察には、私たちが思っている以上の多くの「行方不明者届」が提出されており、通常の家出などの行方不明の場合は、事件性や緊急性が低いという判断がされますので、「行方不明者届」が提出されても、実際の捜索活動は行ってくれません。

しかし、行方不明者が認知症を患っていたり、高齢者だったりする場合は別で、緊急性が高いと判断して捜索を行ってくれます。

警察に提出する「行方不明者届」は、提出できる人が「家族・親族」「同居人」「施設の管理責任者」等に限られており、第三者が出すことはできません。

私の場合は、家族でしたので出すことができましたし、行方不明者が認知症の高齢者でしたので緊急性が高いという判断をしてもらえました。

市町村役場や地域包括センターに連絡する

認知症の高齢者が行方不明になった場合、市町村役場や地域包括センターに連絡することも必要です。

これによって、各都道府県の福祉保健局などでも情報共有が行われるようになります。

行方不明者の情報共有や公開によって、市民などからの情報提供を期待することができます。

探偵に捜索を依頼する

警察に「行方不明者届」を提出すると、対象者が認知症や高齢者の場合はすぐに捜索を開始してくれますので、家族や身内はその結果を待つということもできるのですが、私たちは自分たちでもできる限りのことはしたいと思いましたので、探偵事務所にも捜索を依頼しました。

私の場合は、知人が家出人捜査を依頼したことがある探偵事務所を知っていたので、すぐにそこに連絡を取ることができましたが、普通の方はどこの探偵事務所に依頼すれば良いのかなどは分からないと思います。

家族や身内に認知症や高齢者の方がいるような場合は、万一のことを考えて、行方不明者の捜索を得意とする探偵事務所を予め調べておくことも重要だと思います。

認知症の高齢者の捜索に必要な情報

認知症の高齢者に限りませんが、行方不明者の捜索に必要な情報は、警察でも市町村役場でも探偵事務所でもほぼ同じですから、必要と思われる情報はすべて紙に書き出しておいて、必要なときにすぐに提出できるようにしておいた方が良いと思います。

特に探偵の場合は、調査対象者に関する情報はどんな些細なものでも手掛かりになるそうで、探偵からは情報の要否はこちらで判断するので、とにかく知っていることを全て教えてほしいと言われました。

行方不明者の捜索や人探しを行う際に必要な情報には次のようなものがあります。

  • 住所
  • 氏名
  • 性別
  • 年齢・生年月日
  • 身長・体重・体格
  • 行方不明になったときの服装(髪型や帽子、靴なども)
  • 行方不明に気づいた日時
  • 持ち物(カバン、バッグなど)
  • 写真
  • 携帯電話番号(本人が持参している場合)
  • 家族構成
  • 交友関係
  • 普段よく行く場所
  • 好きな食べ物
  • 口癖

また、行方不明になったのは初めてかどうか、もし過去に行方不明になったことがある場合はどこで発見されたのかも重要な情報になります。

探偵はどうやって認知症の高齢者を探し出すのか?

今回私は、友人からの紹介もあり、探偵事務所SATさんに依頼をして、見つけてもらったのですが、実際にその探偵がどうやって行方不明の人を探し出したのか、具体的なことは分かりません。

企業秘密に属することなので詳しいことまでは分かりませんが、依頼者から入手した対象者の情報に目を通して、さらにこれまでの経験や勘などを駆使してヒントになることを見つけ出していくようです。

認知症の高齢者が行方不明になる場合は、何のあてもなく目的もなく出ていくわけではなく、好きなところや思い出の場所などを思い浮かべて、そこに行こうと思っていることが多いと言います。

提供された情報などをもとに、対象者の行動パターンを予測して、ターゲットを絞りこんだりもします。

警察や探偵に依頼した後は家族も探すことが大切

警察や探偵に認知症の高齢者の捜索を依頼した場合は、その結果を待つだけではなく家族も探すことが大切です。

一緒に暮らしていると、行きそうな場所や好みそうな場所が思い浮かぶかもしれません。

レアケースですが、家出したのではなく、普段使っていない物置の中や押入れの中にいたということもあるそうです。

認知症の高齢者は発見後のケアも重要

行方不明になっていた認知症の高齢者が無事に見つかった後のケアも非常に重要なので説明しておきます。

当然ですが、本人には全く悪気があってやったことではありませんし、認知症の程度によっては、何をしたのかも自覚していないケースも考えられます。

一方、家族や身内は、心配していた家族が無事で見つかってよかったと思う反面、怒ったりすることもあるでしょう。

このような時、認知症の方は何を言われたかは忘れてしまったとしても、その時に感じた感情は忘れないと言われています。

つまり、家に帰ると「怖い」、家族から「怒られる」「嫌だ」というような負のイメージを感じてしまい、それから逃れるために何度も家出をしてしまう可能性があるそうです。

認知症でない高齢者の場合も同様で、家族が衝動的になって怒ったりすると逆効果になることがあります。

認知症の高齢者の捜索は探偵にも相談できるように準備しておこう!

今後高齢化が進んでいくと、それに伴って認知症の患者も増えていくことになります。

そして今よりも、高齢者や認知症の高齢者の家出や徘徊が増えていくことになるでしょう。

しかし、だからといって24時間監視することはできませんので、もし万一高齢者や認知症の高齢者の家族が行方不明になったときのことを考えて、探偵事務所にも相談できるように必要な準備をしておくことが大切です。

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